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火力呪文とは
クリーチャーやプレインズウォーカー、プレイヤーに対して〇〇点のダメージを与える、という効果を持っている呪文の総称であり、主に赤が得意としています。火力でクリーチャーにダメージを与えて除去することを俗に焼くなんて言ったりもします。
火力呪文の採用枚数を考える際に真っ先に考慮すべきなのは仮想敵の存在です。
その特性上、火力の数値よりも高いタフネスを持つクリーチャーには耐えられてしまいます。ランク戦あるいは大会において、タフネスXのクリーチャーを焼かなければならないからX点火力を採用する。あるいは、スタンダードで使用可能な火力の関係で、タフネスX以上のクリーチャーを焼くことは現実的ではないからあきらめるのか、あるいは他の色に頼るのか、ということも考えておく必要があります。
仮想敵を定める
2022/3/8現在、NEO期スタンダードにおいて意識すべきアーキタイプを整理します。使用率は Untapped.gg よりランク戦の統計となります。
白単アグロ
使用率19%程度で真っ先に意識すべきデッキ。片っ端から焼いておきたいクリーチャーばかりでありますが、中でも絶対に焼かないといけないのは以下だと思っています。よって、1点火力25%、2点火力25%、3点火力25%、4点火力25%が要件となります。


- スレイベンの守護者、サリア…本体スペック自体は大したことなく、正直こいつに火力を切らされるのはシャクではある。火力呪文のコストを重くしてくるうえに、だいたい≪精鋭呪文縛り≫とセットで出てくるのでさっさと焼かないと一生焼けなくなります。とりあえず1点以上の火力を想定しておけば問題ないだろう。
- 光輝王の野心家…いわずもがな存在自体がバグ。なぜこんなカードを刷ったのかWotC。クリーチャーをどんどん強化してくるのでさっさと焼かないとタフネス上がりすぎて焼けなくなります。うっかりカウンターが乗った場合に備えて2点火力を準備しておきたい。


- 剛胆な敵対者…全体強化してくるので押されてる盤面で出されると止まらなくなる。追加コスト1回想定の2点火力でも充分だが、何かの間違いで追加コスト2回強化されたときのことを想定して3点火力まではあってもいいかも。
- 輝かしい聖戦士、エーデリン…こんなクリーチャーがスタンに存在してはいけない(涙目)。多くの火力呪文が3点どまりの中こいつは4点火力を要求してきます。なお、焼き損ねた≪光輝王の野心家≫に更に強化されるような展開は想定しないものとします。
緑白(セレズニア)エンチャント・赤緑白(ナヤ)ルーン
使用率11%程度。ネオ神河にてエンチャントと相性のいいカードが多数追加されたことで成立。絶対に焼かないといけないのは以下2種。


- 樹海の自然主義者…エンチャント呪文のコスト減。打ち漏らすとルーンでどんどんドローを回されるので見たら即焼きます。2点以上の火力を準備しておきたい。
- ルーン鍛えの勇者…ルーン・呪文の代替コスト。≪樹海の自然主義者≫と同じく打ち漏らすとルーンでどんどんドローを回されるので即焼かないとだめです。3点火力を用意しましょう。
他、以下のようなクリーチャーがリストによって入っていたりいなかったりします。上記ほど絶対に焼かないといけないクリーチャーではないが、余裕があればいつでも焼いておきたい。いずれも2点火力で焼けます。これらに2点火力を割くことを考慮し、2点火力67%、3点火力33%と見積もります。



白黒(オルゾフ)トークン系
バリエーションが多いのでミッドレンジ系やコントロール系も合わせてざっくり使用率10%程度。
正直、おじいちゃんに対する効果的な火力がスタンダードに存在しないので半分あきらめてます・・・。


一応まじめに対策を考えるのであれば、たまーに入っている≪光輝王の野心家≫や≪輝かしい聖戦士、エーデリン≫あたりに加え、≪不笑のソリン≫の出してくる2/3飛行・絆魂トークンを焼けるよう、3点・4点火力をそれぞれ備えておいてもいいかもしれません。2点火力33%、3点火力33%、4点火力33%と見積もっておきます。


赤緑白(ナヤ)人間
使用率8%程度。白単でもさんざん辛酸をなめさせられた≪スレイベンの守護者、サリア≫≪光輝王の野心家≫≪剛胆な敵対者≫≪輝かしい聖戦士、エーデリン≫に加え、やばいのが2枚追加されます。これら6種のクリーチャーに対処するために必要な火力要件は1点火力17%、2点火力17%、3点火力33%、4点火力33%と見積もります。


- 結ばれた者、ハラナとアレイナ…≪光輝王の野心家≫の強化版という認識。できれば戦闘前に焼きたいが、最悪でも次のターンで3点火力で対処。
- 光の勇者、シガルダ…人間を全体強化してけしかけてくる天使。攻撃を許してしまうと人間が更に増えるので絶対に許してはいけない。ウィザーズは人間びいきすぎる。開発部は人間に牛耳られているに違いない。要4点火力。
青系コントロール
主流は白青黒(エスパー)で使用率5%程度。クリーチャーがざっと見で≪船砕きの怪物≫と≪ストーム・ジャイアントの聖堂≫しか搭載されておらず、こんなものを焼ける火力呪文が存在するはずもないので想定しない。
火力呪文の枚数要件
これまで見てきた仮想敵の使用率をもとに火力呪文の枚数を見積もってみます。火力呪文を搭載可能なスロットは12枚と仮定します。
白単+緑白+白黒+赤緑白で使用率の合計は48%であるが、これを合計100%になるように案分します。青系コントロール相手は想定しません。白単…39%、緑白…23%、白黒…21%、赤緑白…17%。
白単に対して必要な火力枚数:1点火力=12枚×39%×1/4=1.17枚、2点火力=1.17枚、3点火力=1.17枚、4点火力=1.17枚。
緑白に対して必要な火力枚数:2点火力=12枚×23%×2/3=1.84枚、3点火力=12枚×23%×1/3=0.92枚。
白黒に対して必要な火力枚数:2点火力=12枚×21%×1/3=0.84枚、3点火力=0.84枚、4点火力=0.84枚。
赤緑白に対して必要な火力枚数:1点火力=12枚×17%×1/6=0.34枚、2点火力=0.34枚、3点火力=12枚×17%×1/3=0.68枚、4点火力=0.68枚。
上記をすべて合計すると、1点火力=1.51枚、2点火力=4.19枚、3点火力=3.61枚、4点火力=2.69枚となります。実際には小数点以下の枚数にすることはできないので、自分がケアしたいと思う仮想敵に合わせて枚数を調整します。また、条件つきで火力アップする呪文もあるので活用したいところ。
まじめに計算してみましたがなんだかんだ結局、1点火力2枚、2点火力4枚、3点火力4枚、4点火力2枚というところに落ち着くのではないでしょうか。なんとなく感覚で必要だと思ってる枚数に一致する計算結果となったので一安心です。
火力呪文候補
火力呪文の枚数要件が出そろったところで、現行スタンダードで使用可能な火力呪文をピックアップしていきます。
1点火力

棘平原の危険…土地としてプレイすることもできる1マナ1点火力。さらに死亡する代わりに追放するおまけつき。他に候補は存在しないと思ってます。
2点火力

火遊び…ショックから置き換えられた、1マナ2点火力の基本ともいうべき性能で、1マナ2点火力はこれを超えられるかどうかというのが一つの判断基準となる。このカードはプレイヤーに打つという選択肢もあり、打つ相手がいない、いわゆる腐るケースが少ないのが強み。

炎恵みの稲妻…1マナ2点火力に加え追放効果付き。これまで見てもらったように、2点火力が通用してなおかつわざわざ追放したいクリーチャーというと≪無常の神≫くらいであり、入れるとしても1枚くらい。

電圧のうねり…基本1マナ2点火力だが、アーティファクトを生け贄に捧げることで4点火力になる。2点火力0.5枚+4点火力0.5枚で換算するのが実態に合っている。最近流行りの黒赤金床とかで使われているのをよく見る。

双弾の狙撃手…魂力能力により実質2マナ2点火力か、4マナ2/3+2点火力のオプション。手札2枚分の仕事をする可能性がある他、魂力は呪文ではないので≪スレイベンの守護者、サリア≫によるコスト増の影響を受けないのは地味に強み。一方、≪精鋭呪文縛り≫によって追放されてしまうと魂力が起動できなくなる点は注意が必要。

バーニング・ハンズ…2マナ2点火力だが緑相手に限り6点火力。普通の2点火力に加えて上記の仮想敵の中では≪光の勇者、シガルダ≫を射程に収められると考えると対応範囲としては悪くない。
3点火力

乱動の噴火…キッカーで5点火力となるが、7マナという重さが現実的ではないので基本2マナ3点火力として扱うことになる。ソーサリー除去で取り回しにくいのが欠点だが、プレイヤーにも打てるので腐りにくいのが強み。正直な話そろそろスタンダードに≪稲妻の一撃≫を返して欲しい。

霜噛み…比較的ゆるい条件で1マナ3点火力となるため、3点火力カウントで問題ない。デッキの土地の大半を氷雪土地にする必要があり、白単の≪傑士の神、レーデイン≫にいじめられるリスクを受け入れる必要がある。

ドラゴンの火…基本2マナ3点火力だが、ドラゴンを見せるとドラゴンのパワー分のダメージ。たいていは≪黄金架のドラゴン≫を見せつつ4点火力として運用することになると思う。≪電圧のうねり≫と比較すると、生贄にするアーティファクトが不要である代わりに何かしらドラゴンを引いてないと4点火力にならないので安定感としては多少劣るイメージ。3点火力0.6枚+4点火力0.4枚ぐらいに換算するのが実態に合っている。

安堵の火葬…2マナ3点火力のほか、手札を入れ替えるモードも選択可能。打つ対象がいないときに手札を入れ替えられるので腐りにくい。≪ドラゴンの火≫と比較すると、4点火力として使うオプションがない点で劣るため、≪ドラゴンの火≫のほうが何かと優先されがちなイメージ。

削剥…2マナ3点火力のほか、アーティファクトを破壊するモードも選択可能。神河で多数のアーティファクトが追加されたもののアーティファクトテーマのデッキの使用率がそんなに高くないがゆえに日の目を見ていないイメージ。全部ナヤルーンのせいだ。

炎血の発想…プレイヤーにも打てる3点火力。3マナかつソーサリーという重さが気になるが、履修により手札を増やせる点は他にない強み。たまにランク戦でも見かける。

マジック・ミサイル…3マナソーサリーと重めだが、3点を最大3体に分割でき、複数処理も可能としているのが強み。特に白単はタフネス1のクリーチャーも結構採用されてるので刺さる場面もあるはず。

月の憤怒獣の切りつけ…通称ナイトニングボルト。3マナ3点火力。条件付きで1マナ3点火力という≪稲妻(Lightning Bolt)≫相当のコスパ呪文に変貌するが条件が厳しすぎて使われているところを見たことがない。これを採用候補に検討しているのはたぶん私だけ。

神の火炎…2マナ3点火力に加えて、味方が改善されていればコントローラーにも2点のダメージ。上振れたら結構すごいのだが、いかんせん味方を改善してる暇がないし改善してもすぐ除去されてしまうのでたいていただの2マナ3点火力という悲しみ。使われているところはほとんど見たことがない。
4点火力

轟く叱責…クセがなく2マナという軽さも相まってシンプルに強力。欠点はソーサリーであることのみ。4点火力が必要となった場合に真っ先に検討されるべき1枚。

悪魔の稲妻…3マナ4点火力。予顕により2マナ+1マナに分割払い可能なのが強み。インスタントで打てるという点でも≪轟く叱責≫と差別化が可能であり充分検討に値する。

白熱する議論…3マナ4点火力と平凡だが、打ち消されないので護法なども貫通できるのが強み。仮想敵としてタフネス4かつ護法持ちというのがいれば評価が上がると思うのだがちょっと思いつかない。轟く叱責、悪魔の稲妻に次ぐ第三の選択肢として、どこかで使われているのを見た記憶がおぼろげながらある。
最後に
ここまでご覧いただきありがとうございました。今後も皆様のお役に立てるよう引き続きランク戦で戦える赤いデッキを発掘していきます。
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