こんばんは。火花の学者、おじょーです。今夜は期待値をもとに特定のカードの枚数を計算する考え方についてご説明していきます。
マジックに限らず、カードゲームとは確率と期待値のゲームであるといえます。デッキを構築するにあたって何を何枚程度引いているのか引いているはずなのかを計算して、それに基づいてカードの枚数を決めていく。そういうゲームだということです。
ただ、確率は厳密にやるほど計算量も多くなるのがネックです。一方、期待値は概念さえ知ってしまえばあとは単純な割り算掛け算のみで計算できるので、短時間でさっと枚数を決めるのに適した方法であるといえます。
そんなわけで今夜は期待値構築法の考え方をもとに、リミテッドにおける呪文の枚数について考察します。
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呪文の種類
呪文と一口にまとめてしまっていますが、まずは呪文の種類について見ていきます。
ところで、マジックの世界ではクリーチャーも呪文として扱われます。召喚呪文のようなイメージですね。ですが、クリーチャーの枚数については前回の記事で考察済みですので、今回の記事ではクリーチャー以外の呪文について考察します。
ゲーム上の定義としてはインスタントやソーサリー、アーティファクトやエンチャントといった呪文タイプに分かれています。ですがこの記事においては、ゲーム上の呪文タイプではなく呪文の持つ効果、役割に着目して、強化呪文、妨害呪文、ドロー呪文の3種類に分けて考えます。
強化呪文
その名の通り味方クリーチャーのパワーやタフネスを強化したり能力を付与するといった効果を持つ呪文です。効果範囲が単体か全体か、効果が永続的か一時的かという観点でさらに細かく分類していくこともできますね。
妨害呪文
相手のクリーチャーのパワーやタフネスを弱体化させたり、相手の呪文を打ち消したり捨てさせることで妨害するような呪文も含みます。相手のクリーチャーを破壊するなど、いわゆる除去といわれる呪文もこのカテゴリーです。
ドロー呪文
カードを引く効果によって手札を増やすほか、墓地のカードを手札に加えて手札を増やす方法も含めます。リソース回復とも言ったりします。
呪文構成
3種類の呪文についてそれぞれ何枚程度採用すべきなのか、デッキタイプによって採用すべき呪文の種類が異なります。
早いターンでの決着を目指すアグロ(速攻系)デッキでは、強化呪文と妨害呪文を中心とし、盤面に影響を与えないドロー呪文は採用しないケースが多いです。一方、長期戦を目指すコントロール系デッキの場合、長期戦を戦うための妨害呪文と手札を補充するためのドロー呪文が主となります。
これらの呪文について、6枚から8枚という枠の中で需要を満たせるようそれぞれの枚数を考えていきます。
呪文の枚数
アグロデッキ
アグロ(速攻系)デッキでは、序盤に展開したクリーチャーを中盤から終盤にかけて強化しながら攻撃するという流れが理想的です。強化呪文は中盤、できれば4ターン目にはほしいところです。一方で妨害呪文は終盤に1枚あったらうれしいけどなくてもいいかな、という感覚です。
そこで、中盤にほしいカードは4枚入れておくことで4ターン目、10枚引いた時点の期待値がちょうど1枚となります。
10(手札の枚数)×4(強化呪文の枚数)÷40(デッキの枚数)=1.0枚(期待値)
一方の妨害呪文は、3枚程度であれば7ターン目に期待値が0.975枚となりほぼ1枚期待できるといっていいでしょう。引けたら嬉しいけどなくてもいいかな、という程度であれば2枚程度に抑え、その分クリーチャーや強化呪文を増やすという考え方もありかと思います。
\ターン数 枚数 | 4ターン目 10枚 | 5ターン目 11枚 | 6ターン目 12枚 | 7ターン目 13枚 |
2枚 | 0.5 | 0.55 | 0.6 | 0.65 |
3枚 | 0.75 | 0.825 | 0.9 | 0.975 |
4枚 | 1.0 | 1.1 | 1.2 | 1.3 |
コントロールデッキ
コントロール系だと妨害呪文を序盤に構えられるかどうか、序盤に棒立ちしないことが割と重要になってきます。また、ドロー呪文もできれば4ターン目には確保しておきたいところですね。
ドロー呪文については先ほどと同様、4枚入れれば4ターン目に期待値が1となります。
一方、初手にほしいカードは6枚の法則に従い、妨害呪文は可能なら6枚程度確保しましょう。妨害呪文が6枚も確保できないということであれば、2マナ3マナの壁役クリーチャー等で置き換えるというのも一つの手です。
\ターン数 枚数 | 1ターン目 7枚 | 2ターン目 8枚 | 3ターン目 9枚 | 4ターン目 10枚 |
4枚 | 0.7 | 0.8 | 0.9 | 1.0 |
5枚 | 0.875 | 1.0 | 1.125 | 1.25 |
6枚 | 1.05 | 1.2 | 1.35 | 1.5 |
本日のまとめ
- 呪文は強化、妨害、ドロー呪文の3種類。
- デッキによって適した呪文構成がある。
- 初手にほしいなら6枚、中盤に必要なら4枚、いつか引ければいいなら2~3枚。
デッキによって適した呪文構成が異なってくることと、デッキが呪文をどれぐらい必要としているのか、その度合いを明確にすることが重要ということでした。
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