期待値構築法 土地の枚数を考える【MTGアリーナ リミテッド】

TIPS

こんばんは。火花の学者、おじょーです。今夜は期待値をもとに特定のカードの枚数を計算する考え方についてご説明していきます。

マジックに限らず、カードゲームとは確率と期待値のゲームであるといえます。デッキを構築するにあたって何を何枚程度引いているのか引いているはずなのかを計算して、それに基づいてカードの枚数を決めていく。そういうゲームだということです。

もちろん、何枚引いている確率は何パーセントであるとか、何と何の組み合わせで引いてくる確率であるとか、厳密にやろうと思えばいくらでもできるのですが、厳密にやるほど計算量も多くなるのがネックです。一方、期待値は概念さえ知ってしまえばあとは単純な割り算掛け算のみで計算できるので、短時間でさっと枚数を決めるのに適した方法であるといえます。

そんなわけで今夜は期待値構築法の考え方をもとに、リミテッドにおける土地の枚数について考察します。

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土地の総枚数

一般的には40枚のデッキにおいて17枚がベストとされていますが、その理由について考えてみましょう。

理由その1

初手に引いてくる土地の枚数に影響するためとなります。

デッキからカード7枚を引いたとき、土地の平均枚数、期待値は2.975枚となりほぼ3枚の土地が初手に来ることになります。よく言われるのが、初手7枚のうちに土地3枚が理想ということで、40枚中17枚というのはその理想に最も近い比率、配分であるということです。

7(手札の枚数)×17(土地の枚数)÷40(デッキの枚数)=2.975枚

理由その2

5枚目の土地の引きやすさに影響するためとなります。

土地の期待値が5枚を超えるのは6ターン目、累計12枚のカードを引いた時点となり、このとき期待値は5.1枚です。ざっくり、5マナのカードが6ターン目前後でプレイできるような期待値と言っていいでしょう。

一方、土地の枚数が16枚のデッキでは12枚中4.8枚となり、わずかに5枚に届きません。土地の枚数が18枚ならば、11枚引いた時点で土地の期待値が4.95枚とほぼ5枚に達することになります。

\ターン数
土地枚数
4ターン目
10枚
5ターン目
11枚
6ターン目
12枚
7ターン目
13枚
16枚4.04.44.85.2
17枚4.254.6755.15.525
18枚4.54.955.45.85

土地は多めに入れよう

したがって、5マナのカードを1枚でも入れているなら少なくとも土地17枚にしたいというのが私の考え方です。また、より確実に5マナを確保したい、5ターン目に5マナのカードを確実にプレイしたい、そういうようなデッキでは土地を18枚にするといいかもしれません。

目安としては、5マナのカードが3枚以上入ってるようなデッキではちょうど5ターン目にプレイできるかどうかが割と死活問題になってきます。

土地を減らせるケース

逆に言うと、5マナのカードをプレイする必要がないデッキなら土地を減らす余地があるということになります。

土地の枚数が16枚のとき、土地の期待値が4枚を超えるのは4ターン目、カードを累計10枚引いた時点となります。すなわち、土地の枚数が16枚でも4マナまでは最短のターン数で土地を期待できると言い換えてもいいでしょう。

5マナのカードを採用しておらず、2マナから4マナまでのカードで完結するようなデッキであれば、土地を16枚にするのが基本と考えます。

ゼロックス理論

他に土地の枚数を減らしていい条件としてキャントリップ呪文を採用した場合があげられます。※キャントリップ…カードを1枚引く効果

ゼロックス理論において、キャントリップ呪文を1枚入れるとデッキの総数が実質的に1枚減ってるものとみなすことができます。例えば2枚入れた場合は38枚デッキと同等です。

もともと40枚デッキにおいて土地17枚だった場合、38枚デッキに換算すると16.15枚、約16枚ということになり土地を1枚減らすことができます。

簡易的な計算方法としては、キャントリップ呪文2枚につき土地を1枚減らせる、という風に覚えておきましょう。

色マナの枚数

例えば赤と白の2色デッキを組んでいて土地の枚数を合計17枚とした場合、山と平地の枚数はそれぞれ何枚が適切でしょうか?

シングルシンボルが必要

ある色の土地が初手に来てほしい場合、最低6枚あれば期待値は1.05枚となり、1枚を超えます。現実的にはもう少し余裕をもって7枚、できれば8枚以上必要といわれてます。

ダブルシンボルが必要

2枚以上の土地が必要となった場合は最低でも9枚、できれば10枚ともいわれます。

土地9枚の場合は、カードを9枚引いたときだいたい3ターン目には期待値が2を超えるのでダブルシンボルも問題なく運用できます。土地10枚なら2ターン目、カードを8枚引いた時点で期待値が2となります。逆に言えば11枚以上に増やす理由は特にないとも言えますね。

2色の枚数配分

平地9枚+山8枚…これが一番オーソドックスな配分ですね。赤と白ほぼ均等に入れつつ白のダブルシンボルも運用できるぐらいの枚数配分となります。

平地10枚+山7枚…白のダブルシンボルが2ターン目にほしいとか、ダブルシンボルのカードが3枚以上入っているような場合はしっかりメインカラーを重視した配分にしたほうがいいです。

タッチの3色目の枚数

ではここに、3色目として黒のカードを1枚入れたい、タッチしたいといった場合はどのような土地配分になるでしょうか?

タッチの3色目は最低3枚、理想は4枚ぐらい入れたいところです。

3枚の場合は7ターン目か8ターン目、だいたいゲームが終わる寸前ぐらいに期待値1枚に達します。一方4枚であれば期待値的に4ターン目ぐらいには1枚期待できることになります。この一枚の差はかなり大きいので、デッキが許せば4枚確保したいところですね。

タッチ3色の枚数配分

平地7枚+山7枚+沼3枚…基本土地17枚だけでもこのような配分にすれば3色目のタッチは可能です。ただどの色も最低限の枚数ですので、やはり3色目のタッチは厳しいと言わざるを得ません。

ここで2色土地を3枚拾えば色マナカウントとしては20個分となるので、白9枚+赤7枚+黒4枚と、余裕をもって黒をタッチしつつ白のダブルシンボルの運用も見据えた土地構成が実現します。3色目のタッチを考慮する場合は2色土地を3枚以上確保するのが理想的ということですね。

本日のまとめ

  • 土地は17枚が基本。5マナが前提なら18枚、不要なら16枚。
  • キャントリップ2枚で土地1枚減。
  • メインカラーの土地は7~10枚。タッチカラーは3~4枚。

リミテッドにおける土地の枚数はデッキの生命線です。ただ何となくいれるのではなく、何ターン目に期待値が何枚になる、というような理由付け、根拠を持って決めたいところですね。

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