こんばんは。火花の学者、おじょーです。赤いデッキをこよなく愛するプレインズウォーカーです。
今夜も前回同様Untapped.ggに掲載された、ランク戦最前線で活躍するデッキを眺めていたところ、非常に興味深い赤単デッキを見つけてしまいました。(Untapped.gg … ユーザーのプレイ戦績を収集し、膨大なデータに基づく有用な情報が掲載されているサイト)
さっそくデッキリストを見ていきましょう。
デッキリスト
- 安さ ☆☆☆
- 速さ ☆☆☆
- 強さ ☆☆
インポートはこちらから
4 ファルケンラスの闘技士 (MID) 137
4 血に飢えた敵対者 (MID) 129
4 熱錬金術師 (MID) 164
4 無謀な嵐探し (MID) 157
4 月の帳の執政 (MID) 149
4 火遊び (MID) 154
4 乱動の噴火 (ZNR) 155
4 月の憤怒獣の切りつけ (MID) 148
2 霜噛み (KHM) 138
3 棘平原の危険 (ZNR) 166
16 冠雪の山 (KHM) 282
4 不詳の安息地 (KHM) 255
3 バグベアの居住地 (AFR) 254
解説
このデッキの最大の特徴はなんといっても、17枚も搭載された火力呪文の数々です(火力呪文…ダメージを与える効果を持つ呪文)。そのうちの15枚はプレイヤーにダメージを与えることもでき、赤単アグロを超えた赤単バーンといった様相を呈しています。(バーン…火力呪文のダメージで勝利を目指す戦略)
これらの火力呪文に加え、相性のいい能力を持つクリーチャーを中心に攻めていく構成となります!
キーとなるクリーチャーの能力を見ていきましょう。
熱錬金術師
2マナ0/3で防衛を持ち、攻撃には参加できません。
その代わりに、対戦相手に1点のダメージを与えるタップ能力を持ちます。さらに火力を唱えるとアンタップされて能力を再度使用可能な状態になります。戦闘によらずダメージを与えることができ、かつ継続的なダメージ源となる優秀な能力です!
血に飢えた敵対者
2マナ2/2速攻と、序盤の戦力として充分な能力を持ちます。戦場に出た時に3マナ追加で支払うことで、3/3にサイズアップしたうえで墓地の呪文を再使用できます。これにより対戦相手のクリーチャーを除去することで優位を奪ったり、終盤のフィニッシャーとしても活躍します!
月の帳の執政
4マナ4/4飛行とこのデッキにおいては最大級のサイズを持つ重量級クリーチャーです。加えて2つの能力を持ちます。
1つ目は呪文を唱えたときに誘発し、手札をカラにした後にカードをX枚引く能力です。Xはその呪文の色の数となりますが、このデッキにおいては常にX=1となります。なお、捨てる手札がなくても引けてしまいます。そのため、一度手札をカラにしてしまえばその後は、連鎖的に唱えては引いて、引いては唱えてを繰り返し、カードをめくり続けることができます。狂ったようにカードをめくり続けるその様はさながら令和の≪実験の狂乱≫のようです。
2つ目は死亡したときに誘発し、好きな対象にX点のダメージを与える能力です。Xは他にコントロールしているパーマネントの色の数となりますが、これもこのデッキにおいてはX=0かX=1となります。ほとんどおまけのような能力ですが、うまく利用すればタフネス5のクリーチャーまでなら相討ちに持ち込めたりするので覚えておきましょう。
個別カード解説
- ファルケンラスの闘技士…1マナで安定した2/1というサイズに加え、カードを引き直す能力を有している。序盤でしっかりダメージを稼いでくれるほか、ゲーム後半では引きすぎたカードを他の有効なカードと入れ替えることも可能としており、デッキの安定性に寄与。
- 無謀な嵐探し…日暮/夜明能力を持ち、戦場に出たときに昼になる。戦闘開始時にクリーチャー1体に+1/+0と速攻を与える。単独でも3/3速攻として運用できるうえ、≪月の帳の執政≫に速攻を付与することができ、3マナ4マナと流れるように繋がるので相性のいい組み合わせでもあります。(速攻:出たばかりでも攻撃できる)
- 火遊び…1マナ2点火力。プレイヤーに打った場合は占術によりドローの質を高めることができるのがうれしいところ。(占術:ライブラリーの一番上を見て、それを一番下に置いてもよい)
- 乱動の噴火…2マナ3点火力、またはキッカーにより7マナ5点火力。打つタイミングが限られるソーサリーというのが少々痛いが、プレイヤーに打てる火力としては他に代わるものが存在しない。
- 月の憤怒獣の切りつけ…好きな対象に3点のダメージを与える、いわゆる火力呪文。基本的には3マナだが、夜の間のみ1マナとなりコストパフォーマンスが上昇!≪無謀な嵐探し≫により昼夜が設定された場合のみ1マナでプレイする機会を得ることになるが、無理にコスト軽減を狙わなくても充分な威力。
- 霜噛み…クリーチャーかプレインズウォーカー1体に2点のダメージ。氷雪土地が3枚以上出ていれば2点→3点に強化。1マナという取り回しの良さがポイント。プレイヤーには残念ながらダメージを与えられないため、相手によって不要なら≪月の帳の執政≫などで捨ててしまって問題ありません。
- 棘平原の危険//棘平原の洞窟…1マナ1点火力。スタンダードにはタフネス1でも比較的強力なクリーチャーがそこそこ存在するため、意外と除去できる範囲がある。除去として使わない場合でもプレイヤーへのとどめとしたり、土地としてさえプレイできるという柔軟性がポイント。このカードの存在のおかげでこのデッキのマリガン率はかなり低く抑えられているという印象。
- 不詳の安息地、バグベアの居住地…1ターンの間クリーチャーになる能力を持つ土地。通称ミシュラランド。普段であれば土地として機能するが、土地を引きすぎた場合でもクリーチャーとして戦闘に参加させることができ、土地不足(マナスクリュー)や土地の引きすぎ(マナフラッド)への調整弁として機能する。恒例の汎用カードではあるが、このデッキではそれぞれ4枚、3枚と、デッキに投入可能な理論上の限界点まで投入されており、振り切った構成に感心しました。
立ち回り解説
原則としては可能な限りクリーチャーの展開を優先し、ある程度ライフを詰めたところで火力呪文をプレイヤーに打ち込んで勝利を目指していきます。
≪月の帳の執政≫の能力を十全に機能させるため、普通のデッキとは異なり「手札をなるべく減らしておく」立ち回りが重要となります。マリガンは「マナを使うことなく手札を減らすことができる最強のムーブ」です。初手がよくないと感じたら積極的にマリガンしましょう。また、手札に火力呪文が余りそうな展開の場合は、手札を減らすことをためらうことなくプレイヤーに打ち込んでいきます。特に≪乱動の噴火≫は打つタイミングを選べないので、下手に余らせてしまうくらいならさっさと使ってしまいます。
対戦相手が白単系など、小型クリーチャーを中心としたビートダウンデッキだった場合、火力呪文はすべて除去としてプレイすることになります。厄介なクリーチャーが多いので基本的に除去優先で立ち回り、ある程度勢いを削いだところで≪月の帳の執政≫でふたをして、手札を増やしながら盤面を制圧していく動きとなります。相手のデッキによっても違った振る舞いを見せてくれるのが、このデッキの魅力の一つでもあります。
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