こんばんは。火花の学者、おじょーです。今夜は「機械兵団の進軍」クイックドラフトで安定した勝率を誇る白青騎士アグロの組み方をご説明いたします。
ドラフトという遊び方にあまりなじみがない初心者の方から、勝率を安定させて手っ取り早くランク上げをしたい、といった中級者以上の方のニーズにもお応えできるような内容を目指しています。
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決め打ちドラフトとは
引いたパックの内容に関係なく常に同じカードを揃え、同じデッキを組んで戦うことを目指すドラフト戦略です。
特にクイックドラフトでは、それぞれのカードが流れてくる確率はほぼ一定となっており、同じデッキを高い精度で再現する戦略が有効です。
デッキコンセプト
白青騎士アグロのコンセプトについて公式のドラフトアーキタイプの記載を確認してみましょう。
もっと平たく言えば、騎士たちを展開した後≪ザルファーの司令官≫などで全体強化して一気に決着までもっていく、速攻デッキというコンセプトとなります。
キーカード解説
この流れでキーとなるカードを見ていきましょう。
ザルファーの司令官
- 2マナ2/2。騎士ロード能力(全体+1/+1修整)と、クリーチャー1体をタップする起動型能力。
いずれも戦闘を大幅に有利にする能力であり、騎士デッキにおいて不可欠ともいえる存在です。
主力コモンクリーチャー
- 剣誓いの騎兵…2マナ3/1。騎士が出たターンは先制攻撃を持つ。条件付きではあるものの先制攻撃でパワー3は相当な突破力があります。序盤から中盤にかけてほとんどブロックされることなく殴りに行けるので、1枚で6点ぐらい稼いでくれるこのデッキにおける得点王です。(先制攻撃:通常の戦闘ダメージよりも先にダメージを与える)
- 羽づくろう勇者…3マナ2/2飛行。出たときに1/1のエレメンタルを出す。実質3マナ3/3と青のクリーチャーにしてはサイズ感がよく、アーキタイプを問わない強さで最強コモンの名をほしいままにしています。本体は騎士であり、≪剣誓いの騎兵≫とバッテリーを組んで2マナ3マナとスムーズに展開できますし、≪ザルファーの司令官≫の強化も受けられます。(飛行:飛行を持たないクリーチャーにブロックされない)
- 儀礼の騎士…4マナ3/4。出たときに相手のクリーチャー1体をタップし、更に他の騎士がいれば麻痺カウンターを与える。相手のブロッカー1体が実質2ターン行動不能になるというのが大きく、貴重な除去を消費することなく攻めていけます。
ファイレクシア軸
- ノーンの審問官…2マナ1/1のクリーチャー。出たとき培養2を行う。変身したファイレクシアンに+1/+1カウンターを乗せる。本体性能は控えめなものの、お供に3/3のファイレクシアンを伴うので心強い戦力になります。
培養トークンを出す≪門口の断絶≫や≪ギタクシアスの眼≫は相性がいいので優先的に確保しましょう。また、≪タルキールの砂丘造り≫や≪鏡の騎士団≫のような変身するクリーチャーも強化できます。
- 門口の断絶…2マナソーサリー。培養2を行いアーティファクトやエンチャント1つを破壊する。または培養2を行い培養器1つを変身させる。基本的には2マナ2/2のファイレクシアン・クリーチャーとして運用できるカードであり、クリーチャー枠に置物破壊を組み込めるのが最大の利点。
- ギタクシアスの眼…3マナソーサリー。培養3を行い、カードを1枚引く。実質5マナ3/3でワンドローがついてるクリーチャーとして運用できるというだけで、5マナクリーチャーとして見たときにかなり強い部類です。加えて培養により分割払い可能な点、4ターン目に速攻感覚でアタックしたり、全体除去ケアで変身させずにとっておくことも可能と、様々な利点を持ちます。
- タルキールの砂丘造り…1マナ1/2。5マナで≪つややかな砂丘踏み≫(4/3トランプル)に変身する。1マナクリーチャーとして展開でき、後々変身させることで中盤以降も戦力になる。(トランプル:余った戦闘ダメージを対戦相手に与える)
- 鏡の騎士団…2マナ2/1。4マナで≪雪花石の徒党の騎士団≫に変身する(雪花石の徒党の騎士団…3/3。これをブロックしたクリーチャーが-1/-1修整を受ける)。変身後は3/4のクリーチャーまでなら一方的に討ち取れます。パワー3とアタッカーに求める数値としては威力充分。
哲子ドライブ軸
- 逃亡者、梅澤哲子…2マナ1/3。パワーかタフネスが1であるクリーチャーは全員ブロックされない。
恩恵を受けるクリーチャーは≪剣誓いの騎兵≫や≪鏡の騎士団≫(変身前)、≪キスキンの雄山羊乗り≫が主な戦力となります。
- キスキンの雄山羊乗り…3マナ1/3、二段攻撃。実質2/3の性能ですが、装備品やカウンターなどによる強化の恩恵が2倍になり、騎士でもあるので≪ザルファーの司令官≫の強化も受けられます。(二段攻撃:戦闘ダメージを2回与える)
全体的にパワーは控えめなので、≪ウェザーライトの重鎮、ラフ≫や≪鼓舞する突撃≫など、ブロックを抜けた後に強化できるギミックも仕込んでおきたいです。
- ウェザーライトの重鎮、ラフ…2マナ1/3。インスタントやソーサリーを唱えるたびに、クリーチャー2体をタップするとカード1枚を引く。クリーチャー全員に+1/+1修整を与え警戒を付与する起動型能力。基本的には後者の起動型能力を期待して採用。前者の能力は1回恩恵を受けられればおまけとしては充分すぎるぐらいです。(警戒:攻撃してもタップしない)
- 鼓舞する突撃…4マナインスタント。全体+2/+1修整。もともと横並べも得意なデッキであり相性は悪くないものの、哲子ドライブシステムを組んだ場合はめちゃくちゃ重要になります。
個別カード解説
コモンのカードに絞ってご紹介します
1~2マナクリーチャー
- 忍耐の繋守り…1マナ0/1、賛助1。死亡したときクリーチャー1体にカウンターを移し替える。実質1/2と1マナクリーチャーに求める性能としては充分。死亡したとき能力を他のクリーチャーに付与できるが、賛助のカウンターを他のクリーチャーに乗せても活かしづらく、もっぱら賛助を受ける側のクリーチャーとして運用することになると思います。(賛助:クリーチャー1体に+1/+1カウンターを置き能力を1ターン付与する)
- 雪花石の徒党の聖別者…2マナ2/2絆魂。賛助受けとしての適性は非常に高く、対アグロミラーでダメージレースを有利に進められるものの、≪ザルファーの司令官≫や≪ノーンの審問官≫、哲子ドライブシステムのいずれの恩恵も受けられない点には注意。(絆魂:与えたダメージ分ライフを得る)
3~4マナクリーチャー
- 印章持ちの歩哨…3マナ2/2賛助1、警戒。警戒付与により、攻撃しつつ≪割込み≫など召集呪文を構えられるのがうれしい。騎士でもあるので、≪剣誓いの騎兵≫とバッテリーを組んだ時の破壊力がやばすぎて感動します。(賛助:クリーチャー1体に+1/+1カウンターを置き能力を1ターン付与する、警戒:攻撃してもタップしない)
- 新たな連合の騎士…4マナ2/2警戒。出たとき2/2警戒の騎士1体を出す。実質4マナ4/4と基準値以上のP/Tを持ち、1枚で複数展開できるのが優秀。≪ザルファーの司令官≫や≪鼓舞する突撃≫による全体強化との相性が抜群です。
- ボーラ投石手…4マナ2/2、賛助1。攻撃するたびアーティファクトやクリーチャー1つをタップする。賛助の+1/+1カウンター込みで4マナ3/3と中盤の戦力として活躍できる基準を満たしており、疑似的な除去として出したターンに即機能するので、いつ引いても活躍する強いカードです。
除去
- 神の火の壺…1マナアーティファクト。色マナサポートも兼ねつつ、起動コストこそ重いものの除去として機能する。土地を切り詰める関係で色事故はつきものであり、除去枠で色マナサポートを組み込めるこのカードは見た目以上に重要な1枚です。
- エファラの分散…3マナインスタント。手札を減らす代わりにテンポを取ることができ、また諜報がついていることで手札の損失を補えるので優秀なバウンス呪文となっています。(諜報2:カードを2枚見て、ライブラリーに戻すか墓地に置く)
- 割込み…3マナインスタント、召集。タップ状態のクリーチャー限定ではあるものの、召集を持っていることで土地フルタップの状態から奇襲的に使うことができる点が強力です。(召集:呪文のマナコストをクリーチャーをタップすることでも支払うことができる)
装備品
- コーの矛槍…1マナ装備品。装備すると+1/+1修整と警戒付与。ハルバード。装備コストの軽さとタフネス修整が光ります。警戒付与によりブロッカーを立てられること、≪割込み≫等召集持ちとの相性がいい。(警戒:攻撃してもタップしない)
- 帆凧…2マナ装備品。装備すると+1/+0修整と飛行付与。装備コストに対する修整値は控えめなものの、飛行付与が非常に強力。膠着した盤面への突破口となり得る。(飛行:飛行を持たないクリーチャーにブロックされない)
バットリ・カウンター
- 空中ブースト…2マナインスタント、召集。+2/+2修整と飛行を与える。飛行を付与することにより、相手の地上クリーチャーの頭上を抜けて攻撃したり、飛行クリーチャーを突然ブロックするといった使い方。またP/T修整により戦闘サポートや火力呪文を避けたりなど、用途は多岐にわたります。召集持ちであることから奇襲性も高く、白のコンバットトリックとしては最強格の呪文です。(召集:呪文のマナコストをクリーチャーをタップすることでも支払うことができる、飛行:飛行を持たないクリーチャーにブロックされない))
- 天使の介入…2マナインスタント。クリーチャー1体に+1/+1カウンターを置き、プロテクション(任意の色)を付与する。基本的には対戦相手の除去に対するカウンターとして使います。限られた状況下においてはアンブロ付与による攻撃手段としても有用です。(プロテクション:ブロックされず、対象にならず、ダメージを受けず、エンチャントされず、装備されない)
- サイバの暗号術師…2マナ0/1瞬速、賛助1、呪禁。クリーチャーとしてというよりも、除去へのカウンターに0/1のクリーチャーがおまけでついてくると考えてください。他のクリーチャーを守りつつ場のクリーチャーが1体増えることから召集との相性も良好です。(瞬速:いつでも唱えられる、賛助:クリーチャー1体に+1/+1カウンターを置き能力を1ターン付与する、呪禁:呪文や能力の対象にならない)
デッキ構成
このデッキの性能を最大限に引き出すデッキ構成、枚数配分は以下のようになります。
カードの種類 | 小分類 | 枚数 |
クリーチャー呪文 | 17 | |
1マナ | 3 | |
2マナ | 6 | |
3マナ | 5 | |
4マナ | 3 | |
その他呪文 | 7 | |
装備品 | 2 | |
バットリ・カウンター | 3 | |
除去 | 2 | |
土地 | 16 |
基本の配分よりも土地を減らしてクリーチャーを多めに入れる構成がおすすめです。理由は後述します。
マナカーブについて、ボムレアまみれのこのセットにおいて、コモンアンコモンだけで戦い抜くためには1マナクリーチャーは必須です。具体的には1マナのクリーチャーを3枚、2マナのクリーチャーを6枚程度と多めの配分を意識しましょう。1マナのクリーチャーを中盤以降も戦力にするため、装備品も必須級といえます。
バットリやカウンターも3枚か4枚程度入れておきたいところで、具体的には≪空中ブースト≫≪天使の介入≫≪サイバの暗号術師≫の3枚をそれぞれ1枚ずつ入れた構成がおすすめです。除去は枚数を増やすとその分展開が遅くなるので、質の高いものを1枚か2枚程度絞って入れたいです。
解説
決め打ちで戦うということは、コモン・アンコモンだけで戦略を組み立てるということです。ボムレアまみれのこのセットにおいてレアに頼らず戦うためには、より早く展開しこちらのクリーチャーへの対処を強要することで、相手のレアが充分に機能できないようにする、という考え方になります。
4ターン目までには手札のクリーチャーの展開を終えてしまい、あとは強化呪文やカウンター、除去で戦場を制圧するというようなプレイングを目指しましょう。そのためには充分な数の1マナ・2マナクリーチャーが必要で、逆に5マナ以上のクリーチャーはよほどの性能でない限り不要です。
関連動画
ドラフト7勝デッキのプレイ動画を作成しておりますのでこちらもご覧ください。6:23 あたりから実践編となります。
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