こんばんは。火花の学者、おじょーです。今夜は指輪物語:中つ国の伝承のリミテッドにおける収録メカニズムや注目カードについて見ていきます。
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この記事は以下の動画と同様の内容となっております。お好みの形式でご覧ください。
最強コモンカードのまとめはこちらになります。
ふんわりストーリー解説
まずは各種メカニズムを理解するにあたり、指輪物語のストーリーにも軽く触れておきましょう。
指輪物語とは、中つ国の歴史や指輪戦争に関する膨大な資料を基に、トールキン教授によって編纂された全三巻からなる重厚な歴史書です。
物語は、ホビット族のビルボ・バギンズという者が、はなれ山に眠る財宝を巡る冒険の中で不思議な力を持つ指輪を偶然見つけたことから始まります。指輪発見からおよそ60年後、111歳の誕生日を迎えたビルボは姿を消し、指輪は養子のフロドに受け継がれます。その後フロドのもとを魔法使いガンダルフが訪れ、その指輪が遠い昔に失われた「一つの指輪」であることを明らかにすると、フロドは指輪を破壊するために旅立ちます。
一つの指輪は冥王サウロンが作り出した指輪であり、中つ国すべてを支配するほどの強大な力と、冥王サウロンの悪意が込められています。指輪はその所有者に囁きかけ、所有者に力をもたらす一方で災いをもたらしてきました。一つの指輪が冥王サウロンの許に渡るようなことがあれば、中つ国は再び暗闇に覆われてしまいます。
旅の仲間に加わろう
今、指輪物語:中つ国の伝承のパックを手にした私たちには2つの選択肢が与えられています。
- フロドと仲間たちと共に旅立つ
- 冥王サウロンの許にはせ参じて指輪の力を求める
……私たちは一度指輪を手にしてしまった以上、いずれの道を選んでも指輪を巡る争いから逃れることはできません。
収録メカニズム・注目カード解説
指輪があなたを誘惑する
このセットで新しく収録された能力です。
指輪があなたを誘惑すると、指輪という名前の紋章を得ます。最初は一番上の能力だけを持っていて、指輪があなたを誘惑するたびに新しい能力が解放されていきます。
また、指輪があなたを誘惑したときにクリーチャー1体を指輪所持者として選びます。指輪所持者は指輪の能力の恩恵を受けることに加え、伝説のクリーチャーとなります。
注目カードピックアップ
指輪の誘惑を持つカードや伝説による恩恵を受けるカードはすべての色に存在し、白と黒に多めに割り当てられています。具体的な枚数でいうと、指輪の誘惑を持つカードは白と黒に4枚、青と赤と緑に3、無色に1枚それぞれ存在します。
≪オスギリアスの壮士≫や≪ウルクハイの狂戦士≫など、出たときに指輪の誘惑が誘発するクリーチャーはそのまま指輪所持者として指定できるため、指輪所持者としての適性が高いです。
- オスギリアスの壮士…5マナ4/3。出たときに指輪の誘惑。2枚目のカードを引くたびに成長する。指輪の2つ目の能力によりカードを1枚引くことができるため、セカンドドローを自力で誘発することが可能。
- ウルク=ハイの狂戦士…3マナ3/2。出たときに指輪の誘惑。指輪の誘惑を持つクリーチャーとしては最軽量クラスであり、指輪所持者としての適性が高い。
伝説のクリーチャーにより恩恵を受けるカードは青以外各色に2枚ずつ存在します。中でも≪ゴンドールの使者≫は伝説のクリーチャーがいれば手札を増やせるうえ、最悪でも手札を入れ替えられるのでおすすめの1枚です。
- ゴンドールの使者…3マナ3/2。出たとき伝説のクリーチャーがいればカードを1枚引く。いなければカードを1枚引いて1枚戻す。
オーク動員
冥王サウロンが率いるオークの軍勢を表すキーワードです。
オーク動員Xとは、軍団クリーチャー1体の上にX個の+1/+1カウンターを置くことです。オーク動員を行ったときに軍団がいない場合に限り、カウンターを置く前に0/0の軍団を生成することができます。
つまり、オーク動員を複数回繰り返して行うと1つの大きな軍団が出来上がっていきます。ネガティブな言い方をすれば、動員を複数回行ったとしても≪殺害≫1枚と交換になってしまう点がリスクとなります。
注目カードピックアップ
オーク動員を行うカードは、黒が最多の5枚。次いで青に3枚、赤に2枚存在します。
中でも≪モルドールの召集≫と≪褐色国のクレバイン≫は動員以外にカード1枚分の仕事が確約されており、積極的に採用したいカードです。
- モルドールの召集…2マナソーサリー。カード1枚を引き、1点のライフを失い、オーク動員1を行う。1枚引いたうえで1/1相当のクリーチャーを生成可能。1枚引きつつ軍団を大きくする効果でも充分に割に合う。
- 褐色国のクレバイン…3マナ1/1、飛行。出たときオーク動員2を行う。実質3マナ3/3相当とマナレシオは良好。オーク動員のおまけでついてくる1/1飛行クリーチャーは確実な攻撃手段として重宝する。打点は頼りないため、装備品で補いたい。(飛行:飛行を持たないクリーチャーにブロックされない)
≪オークの薬≫や≪使者を欺く≫このへんもインスタントゆえに2対1交換を狙いやすく、結構面白いカードです。
- オークの薬…2マナインスタント。クリーチャー1体に絆魂か破壊不能を付与し、オーク動員1を行う。破壊不能効果とオーク動員の組み合わせで運が良ければ2対1交換が可能。(絆魂:与えたダメージ分ライフを得る)
- 使者を欺く…1マナインスタント。クリーチャー1体に-3/-0修整を与え、オーク動員1を行う。マイナス修整により相打ちになる戦闘を一方的にすることができる他、オーク動員によりインスタントタイミングでブロッカーを立てることが可能。
オークがいることにより恩恵を受けるカードは黒と赤にそれぞれ2枚ずつ存在します。
特に黒の≪モルドールの投石機≫≪うなる魔狼≫はいずれも戦場に与える影響が大きく強力なカードです。
- モルドールの投石機…3マナ1/4、防衛。オークで攻撃するたびに2/1飛行の≪バリスタの石弾≫を出す。地上の壁としての性能もさることながら、≪モルドールの召集≫と合わせて3ターン目からいきなり2点クロックとして運用可能。安全にブロックできるクリーチャーは限られる。(防衛:攻撃できない、飛行:飛行を持たないクリーチャーにブロックされない)
- うなる魔狼…4マナ3/4、威迫。オークがいれば4/4になる。回避能力を持っていてパワー4はもはやフィニッシャーの域。(威迫:2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない)
オーク動員についてまとめると、≪モルドールの召集≫≪褐色国のクレバイン≫≪モルドールの投石機≫と≪うなる魔狼≫を中心として、青や赤でちょい足しというような構成が基本となります。
食物
指輪物語において重要な役割を果たすホビット族は食に対して異常なまでのこだわりを持っています。
≪食物≫はアーティファクトであり、2マナ払って生け贄に捧げる(食べる)ことで3点のライフを得ることができます。また、食物を参照するカードが何枚か存在し様々な使い方ができます。
注目カードピックアップ
食物を生み出すカードは緑に4枚、白と黒に2枚、無色に1枚存在します。
中でも≪ブランディワインの農民≫や≪数々の別れ≫≪レンバス≫は能動的かつ比較的軽いコストで食物を生成できるため、これらがメインの食物生産手段となります。
- ブランディワインの農民…3マナ1/1。出たときと戦場を離れたときに食物を生成。3マナで食物2個分となるうえ、おまけの1/1クリーチャーで時間稼ぎができるので序盤を支えるカードとして最適。
- 数々の別れ…1マナソーサリー。基本土地1枚を手札に加え、食物を生成。色事故や土地事故を防止できるうえに食物を生産できるため、食物デッキには必須級のカード。2枚入れたら土地を1枚減らすことができる。
- レンバス…2マナ食物。出たときカードを1枚引く。食べたらライブラリーに戻る。デッキに1枚あれば何度も食える奇跡の食品。カードを引く効果もあるため、他のシナジーを満たせる。
食物を参照するカードは白に3枚、緑に2枚存在します。
- 茸の番犬…2マナ2/2。食物を食べさせると成長し、ターン終了まで警戒を得る。3/3、4/4とあっという間に大きくなるため、食物デッキにおけるメインアタッカーとなります。(警戒:攻撃してもタップしない)
≪数々の別れ≫≪茸の番犬≫≪東四が一の庄の農夫≫とマナカーブ通りにプレイするだけで、3ターン目に6/6警戒で殴れて割とインチキなので積極的に狙っていきたいムーブです。
- 東四が一の庄の農夫…3マナ2/3。出たとき食物を生成し、クリーチャー1体を食物の数ぶん強化する。単独でも+1/+1修整と充分すぎる効果。最大限に活かすためにも1ターン目や2ターン目に食物を生成する何らかの方法を持っておきたい。
白青セカンドドロー
白青セカンドドローは、2枚目のカードを引くことにより恩恵を受ける≪オスギリアスの壮士≫≪ドル・アムロスの騎士≫を中心に据えたデッキタイプです。
念のため解説すると、自分のターン内であればターン開始時のドローステップで1枚引いてるので、何かの効果でもう1枚引ければ「2枚目のカードを引くたび」の誘発条件を満たすことができます。
- オスギリアスの壮士…5マナ4/3。出たときに指輪の誘惑。2枚目のカードを引くたびに成長する。指輪の2つ目の能力によりカードを1枚引くことができるため、セカンドドローを自力で誘発することが可能。
- ドル・アムロスの騎士…4マナ3/3。2枚目のカードを引くたびに成長する。4マナ3/3の時点で及第点。セカンドドローを1回誘発できれば4/4とマナコスト以上の性能となる。
カードを引く効果は青に6枚、アーティファクトに2枚、白に1枚存在するほか、指輪の2つ目の能力でもカードを引けるので覚えておきたいところです。
赤白人間
人間は白に6枚、赤に5枚存在しており、1/1の人間・兵士を横並べして≪ドゥネダイン≫の刃で強化して殴るみたいな速攻型デッキが組めます。
- ドゥネダインの刃…2マナ装備品。装備すると+2/+1修整。人間デッキで使うとわずか1マナで装備でき、破格の修整値を誇る強力な装備品です。
≪角笛城での結集≫をはじめとして≪ハラドリムの槍使い≫≪ゴンドールの守護者≫≪オスギリアスの壮士≫と、2マナから5マナまで強力な人間が一通りそろっているのも魅力です。
- 角笛城での結集…2マナソーサリー。1/1の人間・兵士を2体出し、人間全員に速攻を付与する。横並べできる上、出たトークンは速攻を持つため、盤面がら空きの2ターン目から攻撃できるのが強み。(速攻:出たばかりでも攻撃できる)
- ハラドリムの槍使い…3マナ2/3、到達。戦闘開始時にクリーチャー1体を+1/+0修整。実質3/3としてカウントできるうえ、出したターンから仕事をするのができるクリーチャー。(到達:飛行を持つクリーチャーをブロックできる)
- ゴンドールの守護者…4マナ3/3。出たとき1/1の人間・兵士を出す。実質4/4としてカウントできる上、横並べできる点が優秀。
緑青エルフ
≪偶然出会ったエルフ≫や≪ニムロデルの監視者≫を中心に据え、占術により強化していくギミックを組み込むことができます。
- 偶然出会ったエルフ…3マナ3/2。占術誘発で成長する。1回占術すれば4/3とマナコスト以上。エルフデッキにおけるメインアタッカーとしての性能。
- ニムロデルの監視者…2マナ2/1。占術誘発により3/1になり、ブロックされなくなる。条件を満たせば3点クロックとなり、ブロックされないクロックとしては大きい。
中でも≪偶然出会ったエルフ≫≪ガラズリムの道案内≫≪柳風≫の3枚の流れがめちゃくちゃ美しいです。
- ガラズリムの道案内…4マナ3/4。出たとき占術2。単体性能としてはマナコスト相当のサイズに加え、占術2なので手札1枚増えてるぐらいのドローの質向上が見込める。
- 柳風…5マナ3/4、飛行。出たとき占術2。コモンの飛行クリーチャーでは最大のサイズ。空の覇者としての性能に加えてドローの質を高めることが可能。(飛行:飛行を持たないクリーチャーにブロックされない)
≪ヒスラインの縛め≫や≪灰色港の航海士≫といったインスタントタイミングで占術ができるカードも存在し、この緑青エルフではコンバットトリックとして働くので積極的に組み込みたいカードです。
- ヒスラインの縛め…2マナインスタント。クリーチャー1体をタップし、占術1を行い、カード1枚を引く。いわゆる≪選択≫にタップ効果がつくと2マナになった。戦闘前と戦闘中どっちに打つべきかは諸説あり。
- 灰色港の航海士…3マナ3/2、瞬速。出たとき占術1。相手のアタックに合わせて3/2を展開しつつ占術誘発ができるため、うまくやれば2枚分の仕事をするかもしれない。(瞬速:いつでも唱えられる)
その他注目カード
土地サイクリング
土地サイクリングとは、1マナ払って該当カードを捨てることと引き換えに土地を手札に加える能力です。
序盤は土地に変換することで土地事故を防ぎ、マナが充分に揃ってきたところで呪文としてプレイすることができるので、デッキの安定感を高めてくれます。
黒や緑が絡むデッキなら墓地からの再利用可能なので無駄なく使えて嬉しい。いずれも青の≪ロリアンの発見≫だけは回収できないのでご注意ください。
装備品
装備品はコモンに3枚、アンコモンに1枚存在し、赤白や緑白といった組み合わせはシナジーも相まってかなりの高速デッキになります。特に≪ガラズリムの弓≫は瞬速持ちであり、コンバットトリックとしても機能するので個人的にはかなり注目しています。
- ドゥネダインの刃…2マナ装備品。装備すると+2/+1修整。人間デッキで使うとわずか1マナで装備でき、破格の修整値を誇る強力な装備品です。
- ギムリの斧…3マナ装備品。装備すると+3/+0修整。伝説のクリーチャーならさらに威迫を付与。(威迫:2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない)
- ガラズリムの弓…3マナ装備品、瞬速。装備すると+1/+2修整。インスタントタイミングで装備することができ、アンタップ効果も相まって奇襲性が高く、コンバットトリックとして優秀。(瞬速:いつでも唱えられる)
- 塚山出土の太刀…1マナ装備品。装備すると+1/+1修整。戦闘になったときに相手のクリーチャーの能力を失わせる。装備コストが軽く、接死や先制攻撃などの戦闘にかかわる能力を無視して戦闘できるのが強力です。
1マナインスタント
1マナで構えられるインスタント呪文は、コモンアンコモン合わせて9枚と多数存在しますので、これらの呪文でテンポを取られないよう注意が必要です。中でも黒は2枚もの要注意カードを抱えてますので、黒1マナ立ってたらケアしながら動くようにしましょう。
まとめ
全体的な印象として、オークやホビット、人間やエルフといった部族ごとに得意とするキーワードが割り当てられており、シナジーを活かしたデッキづくりが重要なセットだと感じました。また、装備品や軽めのインスタント呪文が充実しており、シナジーとテンポを重視した高速アグロデッキには要注意と言えるでしょう。
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